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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

空間、事実、認識

今日から「哲学ノート」というカテゴリーを設ける。 このブログのメインは読書と哲学と謳いながらも、最近は肝心の哲学が欠けている。 また、自分なりの独創性を世の中にもうちょっと突き出してみたいと思うようになった。 こちらのカテゴリーはゆっくりと更…

読書日記347

池田晶子『私とは何か さて死んだのは誰なのか』講談社 (2009年) を読む。 格差社会と幸福に関して池田氏は語る。 2000年代はオリックスと近鉄が合併した。 そして新しい球団をめぐって、楽天とライブドアが争った。 当時、私は小学生でそのことは鮮明に覚え…

読書日記346

赤坂憲雄『岡本太郎の見た日本』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 岡本太郎は31歳の時に戦場の最前線に立たされ、35歳にしてようやく日本へ帰還。 この空白帰還を「冷凍された(ような)気がする」と表現した。 その後、東京、上野の博物館で縄…

香山リカ『しがみつかない生き方:「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール」』読了

こちらを読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com 後半は仕事、子育て、人生の意味について語られた。 一貫していたことは「時代の流行に流されないようにしましょう」という主旨であった。 小泉内閣以後強まった「自己責任」の社会、能力主義、終身雇用の…

読書日記345

小林秀雄『直観を磨くもの:小林秀雄対談集』新潮文庫 (2013年) を読む。 翻訳家の福田恆存や、洋画家の梅原龍三郎等との芸術について語る。 福田恆存とはサルトルやカミュらの、いわゆる「実存主義」について語る。 端的に「つまらない」で意見が一致した。…

読書日記344

レヴィナス『全体性と無限』のつづきと、 nainaiteiyan.hatenablog.com 佐藤義之『レヴィナス「顔」と形而上学のはざまで』講談社学術文庫(2020年) と、 赤坂憲雄『岡本太郎の見た日本』岩波現代文庫 (2020年) を読む。 レヴィナスの難解さに苦戦したが、赤…

読書日記343

レヴィナス『全体性と無限』講談社学術文庫を読む。 岩田徹『一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡』のなかで、柳美里『人生にはやらなくていいことがある』が紹介されていた。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com この柳氏の愛…

読書日記342

松岡正剛『編集力』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 『パース著作集』の項を読む。 パースの格言に私は考えさせられた。 「直観は自立などしていない」 「非仲介的な直観などありえない」 また、松岡氏は「アブタクション(推論)は仮説の創発…

読書スタイルの見直し

最近、やたらと読んだらアウトプットをしてしまう。 癖になってしまった。 ルーティンを嫌う私としては、良い兆候とは言えない。 かつて、私はルーティンを何回も批判した。 しかしながら、それを忘れている自分がいる。 唖然。 もはや滑稽。 滑稽といえばベ…

読書日記341

松岡正剛『編集力』のつづきと、 nainaiteiyan.hatenablog.com ミシェル・フーコー『知の考古学』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 『編集力』の「知の考古学」の章を再度読み込む。 ミシェル・フーコーは何を目指したのか。 結論は、「知の道…

読書日記340

適菜収『ナショナリズムを理解できないバカ』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 本書は書店の時事評論や政治のコーナーに置いてある、いわゆる「オピニオン」という位置付けであるので、鵜呑みにはせずナショナリズムに関する基礎を吸収するスタ…

本の紹介は難しい

個人的には、「この本おすすめなので是非読んでください!!」と言える自信がない。 そして、「どんな本がおすすめですか?」という質問にも答えることが難しい。 音楽とは違う気もしないでもない。 音楽よりも、本のほうが人生を変える力があるようにはみえる…

読書日記339

アドルノ『プリズメンー文化批判と社会』ちくま学芸文庫 (1996年)、 磯崎憲一郎『鳥獣戯画/我が人生最悪の時』講談社学芸文庫(2021年)、 ミシェル・フーコー『知の考古学』河出文庫(2012年)、 適菜収『ナショナリズムを理解できないバカ』小学館 (2020年) を…

読書日記338

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟1』亀山郁夫訳のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 前々回にも書いた。 基本的に小説はネタバレすべきではないと思っているので、あくまで記録として書き残す。 また、この記事に偶然にも遭遇してしまった方…

読書日記337

森達也『定点観測:新型コロナウイルスと私たちの社会<2021年後半>』評創社 (2022年) を読む。 アベノマスク等を含め、政治に対する批判が炸裂している。 常日頃から政治を監視するのは必要だが、批判をいくら繰り返しても状況が好転しているようにみえない…

読書日記336

田中ひかる『アナキズムを読む:<自由>を生きるためのブックガイド』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com アナキズムに関する本が膨大にあるということを知る。 本というものは、往々にしてタイトルを見ても実際に読まなければ内容が分からない。 …

読書日記335

酒井健『バタイユ入門』のつづきと、 仲正昌樹『ポストモダン・ニヒリズム』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com バタイユはアカデミックの世界において「最も完成された代表者」とまで言われた。 本書は入門書とはい…

読書日記334

佐藤優/香山リカ『不条理を生きるチカラ』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 二人はそれぞれの生い立ちを語る。 印象的であったのは、香山氏は自らの環境を恵まれていたと自覚していて、自分の力ではなく偶然の出来事と話していることであった。…

読書日記333

ジュディスバトラー『分かれ道:ユダヤ性とシオニズム批判』青土社 (2019年) と、 柄谷行人『柄谷行人対談篇Ⅱ』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com そもそも、何故このようにして自分は本を読んでいるのか、今一度考えてみた。 池田晶子氏と岡本…

読書日記332

米山伸郎『知立国家 イスラエル』文春新書 (2017年) を50ページほど読む。 本書には経済成長するイスラエルに関する情報が詰まっている。 20世紀は圧倒的に日本が優位にあったが、近年はそうではないという。 アメリカはそんなイスラエルに注目し、ウォーレ…

読書日記331

菅原潤『京都学派』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 京都学派を生んだ哲学者、西田幾多郎の生い立ちから読んでいった。 当時の日本においてもドイツへ留学し、その後日本で教鞭を取る者がいたが、西田幾多郎は語学が不得意であり留学はしてい…

読書日記330

酒井健『バタイユ入門』のつづきと、 nainaiteiyan.hatenablog.com 響堂雪乃『ニホンという滅び行く国に生まれた若い君たちへー15歳から始める生き残るための社会学』白馬社 (2017年) を読む。 前半はバタイユの自伝的な内容となっている。 バタイユはフラン…

読書日記329

柄谷行人『柄谷行人書評集』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 時代を横断的に分析した人物たちの数多ある書物を、今度はこちら側が横断的に読む。 その作業を通じて統計学的に、思想の「平均値」を掴むことができると思う。 読書日記系の本は大…

読書日記328

シェリング『学問論』岩波文庫を読む。 シェリングは19世紀ドイツの哲学者で、ヘーゲルに影響を与えた人物とされる。 nainaiteiyan.hatenablog.com 最近になってたまたま岩波文庫として出版されていたことと、ヘーゲルがとっつきにくいと感じていたので、気…

読書日記327

こちらを読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com 後半は「英語よりもまず母語」といった内容や、ロシア文学者から見たウクライナ情勢に関することなどが語られた。 一冊読み終えたあともう一度この本をパラパラとめくる。 すると、思想家シオランについて…

読書日記326

田中慎弥『孤独論』徳間書店(2017年)と、 バーナード・レジンスター『生の肯定:ニーチェによるニヒリズムの克服』法政大学出版局 (2020年) を読む。 田中氏は語る。 読んでいくと、編集者と折り合いをつけていく際の苦悩が伝わる。 芥川賞受賞作家といえど…

読書日記325

シュライエルマッハー『独白』岩波文庫を読む。 シュライエルマッハーは19世紀ドイツの神学者であった。 三章「世界観」から読む。 本書を読むと「彼ら」という言葉が度々出てくる。 シュライエルマッハーの文章を読んでいくと、自ずと「倫理」「精神」の重…

読書日記324

エドウィン・W・ライシャワー『ザ・ジャパニーズ』角川文庫 (2019年) を読む。 駐日アメリカ合衆国大使をつとめた人物である。 本書は1979年に文藝春秋から刊行された単行本を文庫化したものである。 本日は歴史的背景の章を読み飛ばし、「社会」の章を読む…

読書日記323

竹内洋『社会学の名著30』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com ハーバーマス、ゲオルク・ジンメル、ボードリヤール等、書店に行けばちくま文庫の棚に並んでいる名著の紹介がつづく。 しかしながら、ただでさえ薄い新書に30冊ものボリュームである…

読書日記322

松岡正剛『編集力 千夜千冊エディション』のつづきと、 nainaiteiyan.hatenablog.com ポール・ド・マン『美学イデオロギー』平凡社ライブラリー (2013年) 、 柄谷行人『柄谷行人対話篇Ⅱ』講談社学芸文庫(2022年) を読む。 私はこの3冊に共通するあることを発…