2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧
雨宮処凛『この国の不寛容の果てに : 相模原事件と私たちの時代』大月書店 (2019年) を読む。 「貧困者に対して政府は面倒をみるべきである」という質問項目に対して「そう思わない」と答えた人は、日本は38%、アメリカ28%、その他先進国1桁であったそうで…
オリヴィエ・ブランシャール『格差と闘え 政府の役割を再検討する』慶應義塾大学出版会 (2022年) を読む。 プラトン『国家』を読み終えたあとは再び政治や経済に関心が湧いてきた。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今回は格差に関する経済の読み物であるが、物…
松本俊彦『誰がために医師はいる』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 覚醒剤使用者への異常なバッシングが逆説的に抑止力を阻害しているのだと著者は指摘する。 むしろアルコールのほうが社会にとって大きな害となっている見方である。 これに関…
受けてきました。 就職活動中です。 1年以上、しっかりと休みました。 認知行動療法で教わってきたことを今もしっかりと実践しています。 nainaiteiyan.hatenablog.com 本ばかり読んでいたりブログで物を書いていると、なにかこう、「行動しなさいよ」という…
松本俊彦『誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論』みすず書房(2021年)を読む。 著書は若手の精神科医に聞かれた。 「なんでアディクション (依存症) なんかに関心を持ったんですか?」 世の中に、アルコール依存症と薬物依存症には偏見が少なからずあ…
こちらを読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com 後半はエネルギーと労働から始まる。 エネルギー問題は太陽光発電や風力発電のように、自然の力を生かすエネルギーの拡大が必須であるが、気候によって左右されるため、その蓄電を行い消費地に送電するた…
宮本弘暁『101のデータで読む日本の未来』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com 第三章に突入。 いよいよ本題に入る。 今回は「農業」と「教育」の項目をざっくりまとめる。 本書によれば、農業は温室効果ガス問題と直結している。化学肥料を製造す…
宮本弘暁『101のデータで読む日本の未来』PHP新書 (2022年) を150ページ弱読む。 本書によれば、日本の失われた20年は「メガトレンド」に乗り遅れたからだとされる。 この20年の間に技術的な発展、特にIT分野において世界に遅れを取ったために、パンデミック…
池田晶子『考える人』のつづきを読む。 nainaiteiyan.hatenablog.com ヘーゲル以後の哲学を池田氏は吟味する。 マルクス、フッサール、ハイデガー、メルロ=ポンティ。 まず池田氏は、マルクスはヘーゲルの著書を誤読していることを指摘する。 フッサールに…
Rasさんのこの言葉を勝手ながら検討させてもらいます。 そもそもですが、このタイトルの意味自体わかりにくいものですが、おそらく通りすがりの方のコメントである、 "他者の意見をある意味うまく利用することで自身の主張に説得力を持たせることができるわ…
プラトンの『国家』を読み終えていろいろと思いをめぐらせる。 紀伊国屋書店に入る。 社会や政治のコーナーに立つ。 慶應義塾大学出版会から『格差と闘え』という本が新しく出ている。 少しだけ立ち読み。 「格差問題を解決する方法はある」と書いてあった。…
プラトン『国家 (下) 』岩波文庫を読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com ソクラテスは詩の話をし始める。 どうやら画家に対する批判をしている。 例えば、職人は画家よりも道具の知識を豊富に持っていて、必要に迫られれば新たな道具を発明する。 その…
プラトン『国家 (下) 』岩波文庫の370ページまで読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ようやく、『国家 (上) 』の議論のスタートとなった問い、 「完璧なまで不正を遂行できる者 (誰にもバレずに) は最も幸せな人間なのか」に対する解答が得られた。 …
プラトン『国家 (下) 』岩波文庫を320ページまで読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 独裁制は国民を支配する。 かいつまむと、ソクラテスによれば民主制から独裁制へと移行する際に、「自由」を最善とする民主制において、そこには必要以上に自由を求…
プラトン『国家 (下) 』岩波文庫を270ページまで読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ソクラテスは国家の統治体制は5種類あるとし、またそれに対応するように人間の性格も5種類あるとした。 全体から部分を説明し、部分が全体と等しくなる仕方で議論す…
プラトン『国家 (下) 』岩波文庫の180ページまで読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 国家の指導者が備えるべき能力について考察が進む。 結論としては数と計算、幾何学、天文学の知識を備えるべきであると示された。 戦術に長けなければならないので…
こちらの記事に補足をしたい。 nainaiteiyan.hatenablog.com 池田晶子氏は言った。 「お金が大事なのではなく、本当に大事なことはお金ではないということを教えるべきではないだろうか」と。 現状として僕はこの考え方には完全には同意できない。 まだまだ…
プラトン『国家 (下) 』岩波文庫を120ページまで読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ソクラテスたちは、現実的に哲学者が国家の指導者になることは不可能ではないという結論に達した。 次に、哲学者は本当に真実を見極めることができるか考察する。 …
nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.h…
プラトン『国家 (下) 』岩波文庫を70ページ弱まで読み進める。 (こちらのつづき) nainaiteiyan.hatenablog.com ソクラテス (=プラトン) は哲学者が国の最高指導者であるべきだと述べた。 ところが現実はそうなっていない。 ソクラテスは哲学と国家の関係に…
プラトン『国家 (上) 』岩波文庫を読み終える。 nainaiteiyan.hatenablog.com 最大国家という全体についての輪郭は400ページまでに隙なく語られた。 議論の基盤は、大きなものの性質は小さなものの性質と等しくなることを想定してからスタートした。 何故な…
プラトン『国家 (上) 』岩波文庫の350ページまで読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com ソクラテスは「最大国家」という概念を持ち出す。 それは、議論の基盤となった「最小国家」の想定からスタートさせ、漠然ではあるものの、理想的な人数や機能を備え…
継続が力になる。 奇妙な表現だ。 継続が何故、力になる。 継続は何によって生まれる? 義務感か。好奇心か。はたまた、強迫観念か。 否。 前提を疑う。 そもそも継続とは何か。 どんなプロセスか。 道を歩く。 一歩一歩進む。 やがて辿り着く。 何故人は道…
プラトン『国家 (上) 』を300ページほどまで読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 「これは正しいと思われます」 「では○○は?」 「そうです」 質問と回答の応酬がつづいていく。 指導者たる者は身体が健康で丈夫である必要があるが、過度に丈夫である…
蓮實重彦『表象の奈落 フィクションと思考の動体視力』青土社(2018年)を読む。 著者によれば、ドゥルーズは『記号と事件』(河出文庫) のなかで「プラトンを超えることはもはや不可能」であると述べているみたいである。 池田晶子氏は、逸脱不可能な哲学の台…
池田晶子『考える人 : 口伝西洋哲学史』中公文庫 (1998年) を読む。 この本の存在に最近まで気づけなかった。というのも、中公文庫は在庫数が少ないことがままあり、この本は2021年に再び刷られた。それを偶々店頭で発見した次第である。 池田氏は度々、「人…
プラトン『国家 (上) 』岩波文庫を250ページ弱まで読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 国の指導者はどういう人物でなければならないか。 分業を想定した世界においては、大工が大工の技術のみを洗練させるように、指導者は指導することのみを考えねば…
ゲーデルの不完全性定理によれば、矛盾の無い理論体系は不完全であり、逆に矛盾がある理論体系でないと完全ではない、という奇妙な論理が存在する。 この宇宙が完全であるとすれば、では矛盾があるのが当たり前ではないか。 というふうに考えざるを得ない。 …
今週のお題「買いそろえたもの」 プラトンの著書を買いそろえた。 『国家』 『メノン』 『プロタゴラス』 『テアイテトス』等 しかしながら、積んどくのままになってる本多数。 プラトンの本はソクラテスの本でもあるので、勿論内容は哲学になる。 常に本質…
優勝。完走。達成。 これらは充実感に貢献しそうにみえる。 好きな人に告白をしてOKを貰った時のような喜びとはまた違う。 なんとなく満ち足りていて、少しだけ浮わついたような感覚。 一日を振り返るときにこの気持ちを得られたらそれはもう100点満点と言え…