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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

読書日記421

ーヴォワール『人間について新潮文庫を読む。

実存主義哲学者サルトルの内縁の妻とされる人物である。

 

 

ここ数ヵ月はフランクル『夜と霧』と『虚無感について』を読んだときの衝撃から、実存主義とロゴセラピーに興味が湧いた。

nainaiteiyan.hatenablog.com

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ボーヴォワールは冒頭からヴォルテールカンディード』の批評を行う。

その後はカミュ『異邦人』を語る。

 

 

実存主義とは何か」といった類いの本や、そのワードをネットで検索して読んでみたところで本当に理解したことになるのか。

最近は、そろそろ解説書の類いから一旦距離を置いてみようという思いになりつつ、自分なりに読み込んで解釈をしてみるということを実践している。

 

 

遠回りは近道。

しかしながら、本書もやや言っていることがわからない。

彼女はカンディードを「空虚」として批判している。

また、「異邦人」は人間の超越性を認めていないと批判する。

主体と客体について彼女は論じている。

 

 

ランガージュという言葉がある。

実存主義の文脈では社会的参加、と訳されるようである。

そしてボーヴォワールサルトルとともに精力的に言論活動をしたとされる。

 

 

なんとなくではあるが、この本は、人間を語るというよりかは「人間の目的について」掘り下げる論考であるように感じた。

 

つづく

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関連図書

『フランス現代思想史:構造主義からデリダ以後へ』

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読書日記420

ルヘス『語るボルヘス:書物・不死性・時間ほか』岩波文庫 (2017年) を読む。

読書について、ボルヘスの考えに触れることができた。

ヘルマン・ヘッセと同じように、ボルヘスも批評ではなく文学作品に触れることの大切さを語る。

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個人の話では、人生で初めてもう一度読みたいという本に出会うことができた。

それは『私はゼブラ』であった。

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一度売ってしまった。

しかし、読み終わって約1年。

結局また買うことにした。

社会学や臨床心理学、哲学等といろいろ手を出してしまったが文学の魅力に最近気づきつつある。

勿論、個人的には文学というものは退屈な作品がほとんどなのでこういう本に出会うことはほぼない。

 

 

この本だけは手放したくない、という本に出会える確率は0.1%にも満たないと感じている。

手放したから読みたくなったのか。

読みたいから再び手に取ったのか。

まだそこが分からない。

 

 

つづく